ベネトンの広告写真(写真論)

広告写真は、会社名や商品を広く社会に浸透させ、購買意欲を刺激する役割として日常生活の中、雑誌や新聞、インターネット、交通機関、店舗やビルボードなど、現代社会あらゆるところに氾濫する。

目新しい表現方法や視覚的効果が随時開拓され、日本ではタレントなどが商品を紹介した広告パターンなどが定着している。

オリヴィエーロ・トスカーニ(1942~)は、ベネトンの広告において、人種差別や反戦などの報道として社会的な意義のある表現をおこなった。

しかし、このことは一企業の利益につながる広告で展開することに対して批判され非難を生みだしたのである。


 1920年から第二次世界大戦記にかけて次々に創刊された雑誌は、さまざまな企業の広告媒体としての役割を担ったのだ。

広告写真は会社名や商品を広く浸透させ、購買意欲を刺激する役割に加え理想的なライフスタイルを表現し、そのステロタイプ的な広告写真の世界を作り上げたのである。

広告産業は第二次世界大戦後、急速に拡大し急成長を遂げ目新しい表現方法や効果が随時開拓されていく、日本ではタレントなどが商品を紹介する読み取りやすい広告パターンなどが定着した。

ステロタイプな広告が社会に氾濫するなか、ベネトンの広告キャンペーンをとおして写真家のトスカーニは、報道写真表現または引用による人種差別、戦争、エイズなどをあつかった広告を提供し、次々に議論を巻き起こして批判や絶賛の的になる、しかし『兵士の服』や全米各地の死刑囚のポートレイトなどの広告手法は、多くの人々からの非難を呼ぶことになる。


戦後、急成長を遂げた広告写真の世界は、現代社会において日常生活の中あらゆるところに氾濫している。

トスカーニはベネトンの広告において、人種差別や反戦などの報道として社会的な意義のある表現をおこなった。しかし、一企業の利益につながる広告というメディアで展開されることにより批判され非難された。

写真表現が、そのメディアにより伝える表現の意味を大きく変える事に対し、私たちは愚鈍であってはならないのである。


参考文献、

宮本隆司、八角聡仁『写真芸術論』京都造形芸術大学、2003年、 ・情報デザインシリーズ Vol.2 『写真の変容と拡張』京都造形芸術大学、1999年、・飯沢耕太郎、河出ブックス008『写真的思考』2009年、・ジェフリー・バッチェン『写真のアルケオロジー』前川修/佐藤守弘/岩城覚久 訳 青 弓社 2010年