【世界史】アメリカ合衆国と移動通信技術


 15世紀の活版印刷は情報伝達に大変化をもたらした、16世紀には紙の印刷物として世界を変革したのだ。

丸い世界を一つにした羅針盤の実用化による大洋航行帆船は、アメリカ大陸の移住を促し19世紀の鉄道は陸上輸送の距離を短縮、電信が文明世界同時の情報伝達を可能にさせる。

これらの移動通信技術は広大な国土であるアメリカ合衆国の成立と拡張に重要な役割を果たしたのである。


アメリカ合衆国と移動通信技術


 印刷術によるマルコ・ポーロの旅行記の出版は、16世紀にはコロンブスの大西洋への航海を促し、それ以後のヨーロッパ人のアメリカ大陸への進出は活発になる。

 大量の原料や商品を運搬するために、18世紀から運河の建設や道路整備も推進された、1825年にスティーブンソンが蒸気機関車を実用化、イギリスでは鉄道建設が急速に進み19世紀半ばには鉄道網が完成、大陸諸国でも19世紀後半には鉄道網が構築される。 

 1807年にアメリカ合衆国のフルトンが開発した蒸気船は19世紀半ばから急速に改良されて海上交通を発展させた、鉄道の進歩は世界各地の結びつきを迅速にし人やものの動きを容易にした。

 ヴォルタやガルヴァニやファラデーによる種々の電気現象の研究から電信が1835年に出現し、わずか数年間に電信網が文明世界じゅうにひろがり世界同時に伝わるようになる。

 アメリカ合衆国は巨大な大陸国家であるため、これらの鉄道、蒸気船、電信などによる人やもの情報の動きを迅速にさせた移動通信技術は、ニューヨークからワシントン、カリフォルニアからジョージアに至るまでの距離を短縮ひとつの国家としての統治に重要な役割を果たしたのだ。


 15世紀の活版印刷は情報伝達に大変化をもたらし、16世紀には紙の印刷物として世界を変革したのだ。

丸い世界を一つにした羅針盤の実用化による大洋航行帆船は、アメリカ大陸の移住を促し19世紀の鉄道は陸上輸送の距離を短縮、電信が文明世界同時の情報伝達を可能にさせる。

これらの移動通信技術は広大な国土であるアメリカ合衆国の成立と拡張に重要な役割を果たしたのである。現在ではインターネットによって瞬時に情報が伝播される世界へと拡張されているのである。 


参考文献:H.G.ウェルズ著 長谷部文雄、阿部知二訳『世界史外観、上・下』岩波新書、1966年